当クリニックで扱う主な肝炎
(肝臓病)

脂肪肝

脂肪肝は、肝細胞に中性脂肪が過剰に沈着している状態です。
主な原因は、食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足などの生活習慣にあります。いちばん診断のつけやすい検査は腹部超音波検査です。
脂肪肝が慢性化すると肝硬変、さらには肝がんにも進展する可能性がありますので、適度な運動や適切な食生活、節酒などを心がけ、脂肪肝を改善することが大切です。

ウイルス性肝炎

ウイルス性肝炎には幾つかの種類がありますが、一般的によく見られ、治療や経過観察が重要となるものとしてB型肝炎とC型肝炎があります。
このうちB型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染している人の血液や体液を介して感染します。
具体的には、母子感染や後天性の性的接触、輸血、臓器移植、刺青、針刺し事故などが代表的です。

一方、C型肝炎は、ヒトの血液や体液を介してC型肝炎ウイルスに感染し、発症に至る肝疾患です。
感染すると70~80%の方が持続感染し、慢性肝炎から肝硬変、さらには肝がんへと進行する要因となります。
慢性化した場合、以前は注射薬のインターフェロンが必須でしたが、現在は経口薬による方法が主流となっています。

アルコール性肝障害

文言からも推察できますが、アルコールの過剰摂取で起こります。
最初に生じるのはアルコール性脂肪肝で、さらに大量飲酒を続けているとアルコール性肝障害を招きます。
アルコール性肝障害には肝性脳症、肺炎、急性腎不全などの合併症を伴いがちで、アルコール性肝線維症を経てアルコール性肝硬変になったり、重症型アルコール性肝炎になったりすることもあります。
ウイルス肝炎を合併している場合は肝硬変への進行が速く、肝がんも合併しやすいので要注意です。

非アルコール性脂肪性肝炎

肝臓の病気というと、アルコールが強く作用していると誤解されている方も少なくないようですが、実際にはアルコール以外の生活習慣などが原因となるケースがよくあります。
非アルコール性脂肪性肝炎もそのひとつです。お酒を飲まない人が脂肪肝炎になり、肝硬変、肝がんへと進行するケースもあります。
主な原因は、肥満、糖尿病、脂質異常症、薬剤摂取などと言われています。
治療には生活改善が大切で、低エネルギーで栄養バランスの良い食事を心がけ、適度な運動を取り入れます。それでも肝機能異常が治らない場合は、薬物療法が必要となります。

肝硬変

肝硬変は、肝障害が進行することで慢性的に肝細胞が破壊され繊維化して肝臓が硬くなり、肝機能が低下した状態です。
様々な原因によって起こりますが、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、自己免疫性などが代表的です。
肝硬変になると、食欲不振、疲れやすい、体重減少、黄疸などの症状が見られるだけでなく、肝がんの原因の一つとされています。