ピロリ菌検査について

ピロリ菌のイメージ写真

ピロリ菌は、酸素を苦手にしていますので、大気中で酸素に晒されると死滅します。
しかし、強酸性の環境下であっても、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、このアンモニアの作用によって中和する能力があるため、胃の中に生息し続けることが出来るのです。
衛生状態が良好な場所では、ピロリ菌はあまり繁殖しないと考えられています。そのため、上下水道などが整備された現在の日本では、ピロリ菌に感染するリスクは少ないと言われています。

しかし、以前は飲み水や食べ物を通じてピロリ菌が体内に入り込んでしまい、それが原因となって胃の中にピロリ菌が今も住みついているケースが50歳以上の方を中心として多く見られます。このような方は、ピロリ菌を受けておくと良いでしょう。
具体的には、胃カメラを用いた検査と、胃カメラを用いない検査に大別できます。

胃カメラを用いた検査

培養法
採取した胃粘膜をすり潰し、5~7日間かけて培養して調べる方法です。
迅速ウレアーゼ法
ピロリ菌に存在するウレアーゼという酵素が生成するアンモニアの有無から判定する方法です。
組織鏡検法
胃粘膜の組織をヘマトキシリン・エオジン染色やギムザ染色し、顕微鏡でピロリ菌の有無を観察する方法です。

胃カメラを用いない検査

尿素呼気試験
呼気に含まれる二酸化炭素の量を測定することにより、ピロリ菌が存在するか否かを測定するものです。
便中抗原測定
便を採取し、抗体の原因成分であるピロリ菌の有無を調べる方法です。
尿中抗体測定
尿検査によって、尿に含まれるピロリ菌の抗体の有無を診断する方法です。

ピロリ菌除菌をお勧めいたします

上記の検査によってピロリ菌の存在が確認された場合、必要な治療を行います。
具体的には、胃酸の分泌を抑制する薬剤と、2種類の抗生物質を1週間ほど服用して除菌いたします。
これにより胃の中にピロリ菌が存在しない状態を目指しますが、一度の除菌では撲滅できないこともあります。
ピロリ菌除菌療法を行ってから1か月後に判定を行い、もう一度、除菌を行うこともあります。